【みんなと同じがいい?みんなと同じはイヤ?】
ウェディングに携わっていると常に考えるのがこの二元論。
「結婚式。みんなと同じがいい?みんなと同じはイヤ?」
という難題。
そもそも“みんなと同じはイヤ”と言うセンテンスこそまさに“みんなと同じ”なんですけどね。
今回は哲学論ではないのでその話は飛ばします。
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僕は常々日本人は「みんなと同じが好き(安心する)」民族だと思っています。
誰もが買っている商品は無条件で信用し。
大勢が並んでいるラーメン屋やタピオカミルクティーは、調べなくても美味しいと盲信する。
流行の映画やTVは一応見ておかないと不安になるし。
一定数売れているブランドやお土産ならば無難にチョイスされることだって数多くあります。
よく言えば素直で他者を信用しやすく、悪く言うならステレオタイプ。
ましてや現代のように情報過多社会の中では、「誰が本当のことを言って誰が嘘をついているのか」
見極めるのが非常に難しくなってしまい、それ故“大勢が信用しているものを無条件に信用する”効果がより一層強く働いているのだと感じています。
政治にせよ。ビジネスにせよ。人間関係にせよ、です。
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そんな中でウェディングについて。
「みんなと同じがイイ!」と大々的に公言するお客様はまずいらっしゃいません。
とは言え、最近の流行をインターネットで調べたりゼクシィを購入したり。
その一連の行動が既に「みんなと同じモノを求めている」 のです。
逆に「みんなと同じはイヤ!」と言うお客様。
弊社の場合は圧倒的にこちらが多くて。
その振り幅はそれぞれとは言え、何かしら新しい効果や演出、プログラムを組み込みたいという要望が多いのです。
とは言え、「誰もやっていないこと」「新しいこと」をイチから作り出そうとするにはお金と時間のコストが大幅に増大します。
既に世の中に流通している「テンプレート」を購入して、そのまま利用するのが最もコストをかけずに済ませる最良の方法です。
そしてそれらのコストを目の当たりにしたときに、結局“じゃあ、やっぱりみなと同じでイイです”となってしまうことはままある話。
これは非常に残念ですが、
「お金」「時間」「想い」の配合バランスはお客様が決めることなので何とも言えません。
(勿論コストを最小限にする努力はします!その上での話ね)
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ある程度の安心感。
誰もがリラックスして過ごせる空間や雰囲気は必要です。
それは結局「みんなと同じ」「いつも通り」の場所に帰ってきます。
大勢のゲストを招くにあたって、奇を衒い過ぎた激辛料理はチョイスすべきではないのです。
(個人的にはコース料理が全部激辛の結婚式とか。やってみたいですけど。プチギフトにタバスコとか。)
そしてその中に拘り溢れるワンポイントを添える。
自己主張やセンスの塊を最大限に発揮したワンポイントを。
それが衣装だったり、演出や料理、或いはギフトだったりするわけで。
たった一つの拘り。
その一つだけキラッと輝くような“何か”を。
しっかりと結婚式のメインに据えるようなセンスあるコーディネートが、“令和ウェディング“のスタンダードになっていきます。
それこそが 「みんなと同じ」でもなく。
皆を安心させる「いつも通り」も含んだ、
「誰もやったことが無い」新しい結婚式のカタチ なのです。
おもしろき こともなき世を おもしろく
すみなしものは 心なりけり
(高杉晋作)