【二重橋の向こうに】

平成天皇を振り返る連日の報道や元号改正のお祭りムードの中に。

昨夜ふと思い出した、平成天皇陛下との一瞬。

 

思い出すままに書き綴ってみようと思います。

 

———

 

時は2009年。

山田もピチピチの20代の頃。

平成天皇の御即位20年を祝う式典が行われました。

 

 

当日は午後より国立競技場にて政府主催の、

「天皇陛下御在位20年記念式典」が。

 

同日夕方より皇居前広場にて、

「天皇陛下御即位20年をお祝いする国民祭典」としてそれぞれ挙行。

 

 

全国から抽選で選ばれた3万人が皇居前広場に詰めかけるその日。

僕は運営スタッフの一員として、各界の著名人が集う二重橋すぐ前のVIPエリアにてアテンドのお役目をする要職に携わっておりました。

 

 

EXILEが秋元康さん作詞の「太陽の国」を歌唱したイベントと言えば思い出される方も多いでしょう。

 

 

 

 

当然VIPエリアなので初めて見る著名人や芸能人を席までエスコートするのに必死で、プログラムを見る暇など一切なく過ぎていく時間。

 

 

 

一切はしゃぐことの出来ないような厳かな雰囲気の中、国民栄誉賞を得られた野球界の大物やオリンピック選手。

超大物芸能人やお笑い界の大御所の皆さんを間近にしていたのを覚えています。

 

(この辺りで会場整理してました)

 

両脇を抱えられながら歩いていた女優の森光子さんが、御挨拶に登壇された瞬間に背筋を「シャキッ!」と伸ばしてお祝いを述べられたのも印象的でした。

 

 

 

そんな中、式典もフィナーレにさしかかり天皇皇后両陛下が二重橋の向こう側にお出ましになり。

肉眼では見るのもやっとの距離ですが、あれが人生最接近の瞬間。

 

「陛下のお言葉がはじまったら絶対に動いてはならない」

 

そう厳しいお達しを受けていましたので緊張感あふれる中、

目は会場に。耳だけはそのお声に傾けて聴いておりました。

 

11月の夜。

少し雨もパラつき、誰もが寒さを気にし始めたような時間。

 

耳に入ってきたのが

 

「しかし、少し冷え込み、皆さんには寒くなかったでしょうか。

本当に楽しいひと時でした。どうもありがとう。」

 

 

という陛下のお言葉。

 

その瞬間。

冷たい風が瞬間やみ、辺りには何とも言えぬ、秋とは思えない暖かい空気。

そして自分の中に走った電流のような感覚。

 

“今この瞬間、ここにいる国民の寒さを、身体を気遣う。これが天皇陛下なのか。”

 

 

御年70歳を超えて御自らも決して楽なお身体ではなかったはず。

 

公務としての式典を「楽しかった、ありがとう」と言い、

そして「寒くなかった?」と愛情あふれる言葉をそこにいる全ての者にかける慈悲深い御心。

 

 

僕が初めて、

「あぁ、天皇陛下と言うのはこういうものなのか。ありがたいな。」と。

 

日本という国。

そして天皇陛下という存在を意識した瞬間でした。

 

——-

 

皇居に行かれたことのある人ならわかると思いますが、

「皇居前広場」と「二重橋」はそこまで近い距離ではありません。

 

しかしあの日。あの瞬間。

両陛下は明らかに、

僕らのすぐ側におられました。

 

 

それくらい我々に。国民に近い距離を瞬時に得ようとして下さるのが平成天皇皇后の両陛下でした。

 

 

10年経った今でも忘れないたった二行の温かいメッセージ。

 

 

ただ闇雲に感謝するというだけでない。

人間としてどうあるべきか、どうありたいかを深々と考えさせられるきっかけにもなった。

 

あの日の陛下から僕へのメッセージでした。

 

 

答えなんて所詮、予め誰かが決めたものだよ。

ならば新しい答えを自分で考えて決めればいい。

(ベンジャミン桜川)

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