【客に気を使わせるサービスマンは三流 -ウェディングはエンタメであれ】
「サービスマンでありエンターテイナーであれ」
結婚式の仕事に携わる方々に伝えたいことの一つ。まぁそんな偉そうに語るつもりはないので固くならずに。
プランナーもサービスも、MCも美容もカメラマンも、会場スタッフも。
みんな“お客様の特別な一日”を支える存在であり、同時に“その日を盛り上げる演者”でもある。
是非皆さんにその意識を持っていただきたいと常々考えています。
けれどそんな中でときどき見かけるのが──
「お客さんに気を使わせてしまっているサービスマン」です。
■「感じのいい接客」と「一流の接客」は違う
結婚式の打ち合わせでよくあるやり取り。
新郎新婦「ここ、もう少しこうしたいんですけど…」
プランナー「もちろんです!ただご予算が…」
新郎新婦「いえいえ、無理言ってすみません!」
この瞬間、会話の主導権はお客様にあります。
お客様が“申し訳なさそうにしてしまう”時点で、それはもう「お客に気を使わせている」状態。
一見丁寧に寄り添っているように見える。本人のそのつもりなのかもしれない。
けれど、お客様に遠慮させてしまう時点でサービスとしては二流、三流です。
残念ながら関係値を築いているとは言えません。
■ウェディングプランナーは「サービスマン」であり「演出家」
本当の意味での“サービス”とは、お客様が何も気にせず、安心して委ねられる空気をつくること。
例えば、ディズニーランドのキャストが「今日は寒いですね」と言わないのは現実の寒さを感じさせたくないから。
世界観を壊さず楽しさを保つためです。
ウェディングも同じ。
新郎新婦に「気を使わせない空気」をつくることが一流のウェディングプランナーやサービスマンの仕事です。
つまり、“サービス”を超えて“演出”の領域に入ること。
「売る」とか「応える」だけじゃない。
顧客の想像を超えてエンターテイメントを提供する。それが一流のサービスマンでありウェディングマンだと考えます。
■空気を読むのではなく「空気を創る」
お客様の希望をただ聞くだけなら誰でもできます。
(”それさえも出来ていない”レベルをSNSで散見するけどもうそこまで掘り始めたら収集付かないので今回は一旦割愛)
けれど一流のプランナーや接客スタッフは“その裏の感情”を読んで演出に変える。
つまり「期待値を超える」ということ。
「緊張してるから笑わせよう」
「迷ってるから背中を押してあげよう」
「何か言いづらいことがある顔をしている。そこまで引き出してみよう」
そんな風に相手を見ながら“空気を創れる人”こそ真のプロフェッショナル。
ウェディングにおける接客はマニュアルではなく“演出”。
あなた自身がその一日の“出演者”であり”監督”でもあるのです。
■「気を使わせない接客」こそ最高のおもてなし
結婚式のおもてなしとは、料理や装花だけではありません。
“お客様が一切気を使わずに楽しめる空気”こそ最大のおもてなし。
一流のサービスマンは気配りを「気づかれない」ように仕掛けます。
(余談ですが「織田信長に草履を温めていることを悟られた秀吉は二流」だと思っています。これ20年くらい言い続けてます)
「お願いしていいのかな…?」「こんなこと言っても大丈夫かな?」
そんな風にお客様が一瞬でも感じてしまったら、それはもう失点。
「気づいたら全部叶ってた」
そんな自然さが、最高のサービスなのです。
■加えて最近は何やら増えている気がします。
「私たちだって頑張っているのに」
「こんなに大変なのに」
っていうサービスマン。ウェディング界隈でも多い。苦労してるから認めて欲しい、お客さんも我慢してほしいみたいな論。
あのね。要らんのです。
我々が舞台裏でどれだけ汗をかいているか、苦労しているかなんて大変エピソードは舞台上では不要なのです。
もっと言えばどれだけ苦労したとして、お客様を感動させられていなければそんな苦労は「無駄」でしかないのです。苦労の仕方を間違えとる。
我々の努力は絶対にお客様に見せちゃいけない。悟らせちゃいけない。
そんな承認欲求や愚痴は酒飲みながらコッソリ漏らすに留めておいてほしい。
「僕たち!こんなに苦労してアルバイトしながら芸人をやってます!寝ずに書き上げたネタです!見てください!」
そんな舞台で誰が笑えますか?我々裏方のサービスに感動ポルノは不要なのです。
■ウェディングは「サービス業」でありエンターテイメントの「感動産業」
結婚式は、“おもてなし”と“感動づくり”の両立が必要な特殊な現場。
だからこそ私はこう思います。
「お客さんに気を使わせるサービスマンは三流である」
「気を使わせず笑顔と感動を引き出せる人が一流。」
結婚式はサービス業でありながら、究極のエンターテインメント。
私たちの役割は、依頼に応えることだけではなく、心を動かす“体験”をつくること。
ウェディングを“仕事”として扱うか、“舞台”として魅せるか。
まだまだやれることがある。もっと感動させられる演出があると常に考えること。
そして開演の1分前までさらに磨き続け、その日その場の再興を常に追い求め続けること。
そこに一流と三流の差が生まれるのです。
我々が目指すべきは常に「何も伝えていないのに最高のサービスを提供してくれる」という演出家。
それが難しいから「対話」をします。
その上で、
「この人を頼ればどんな願いもかなえてくれる」
そんなエンターテイナーであることが、最高峰のウェディングマンだと考えます。




